内職を始めたのは子どもが4歳と10歳の時で、私は35歳でした。上の子が病気を持っていたこともあり、就職はもちろん、仕事を外に持つつもりは全然なかったのですが、親が商売をしていて、内職を探していた人が私の実家から私が家にいる専業主婦だという事を聞いて、私に会いに来て下さり「内職をやってもらえないだろうか」と言われたからでした。

私は自分の美容院代とか病院代とか自分で稼ぎ出せるのはいいなと思い引き受けました。その会社は私もうちの近くで、主人も社長を知っていたので賛成してもらえたのです。その会社はセラミック製品を土(原料)からプレスして成型する仕事をしていました。私の仕事はそのプレスされて出てきた品物のバリを取るという事でした。バリとはタイ焼きなどでできる余分な皮のところの事です。

私が任された品物は長さ20㎝の角柱で、バリの取り方は水を含ませたスポンジで品物をぬぐってきれいにすることでした。プレス機から出てきたばかりの品物は土なので、バリのほか小さいゴミなどが付いているので水で拭くことできれいになります。これは単価が5円。一つの箱に60個入っていたので一箱300円でお給料を貰っていました。

一日にできるのは下の子が保育園に行っている間がせいぜいなので、初めに頃はひと月3000円とかよくて5000円ほどでした。それでも同じ仕事は慣れてくるとリズムができてくるのでしょう、一箱にかかる時間がだんだん短くなっていきました。

土と水を使うので周りが少々汚れてしまいますが、主人からの咎めもなかったのは助かりました。あと、水を使うので冬は少し困りました。お湯を使っていても次第に冷めてしまうし、なにしろお湯を使うことで手が荒れてしまうのです。そして土なので結構一箱が重いのです。

収入が見込めない割にいろいろ大変なこの仕事が続けられたのは、私があまり人づきあいが好きでないこと、そしてなにより、内職しながらラジオが聴けたからだと思います。昔から深夜放送が好きだったので、その深夜放送をしていたDJがちょうどその頃内職をする時間帯に番組をやってくれていたのが本当に嬉しかったのを覚えています。

もう一つ助かっていたことは、社長さんが品物を運んでくれたことです。もちろん引き取りもしてもらっていました。そして出来上がった内職ものを置いておける場所もあったのが幸いでした。こうしてみると、どんな人にも勧められる内職とは言い難いかもしれませんが、この内職でビデオやエレクトーンを買えることができたので、私は幸運だったなあと思っています。
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